トップページ目次脱毛女子の恋心のち晴れ 4

第4節

扉を開けた。
受付には、私より歳が二、三個くらい上の女性が立っていた。
面接を申し込むと、笑顔で奥にいる店長を呼んできてくれた。

 

店長は30歳になるか、ならないかくらいに見え、華奢で背の低い女性だ。
よく笑う人なのだろうか、受付の子と普通に会話しているのに、頬っぺたには笑い皺みたいなのが浮かび上がっている。

 

ソファーに案内され、私が働きたいことを伝えると、すんなりOKしてくれた。

 

「ちょうど、一人募集を出そうと思ってたのよ」

 

そう言って店長は笑った。
素敵な笑顔。なにか勇気をもらえそうな・・・

 

「わ、わたしでいいんですか?」

 

「直接、来るなんて面白い子だわ。こちらからお願いよ」

 

決まった!!
まだよく分からないけど、ここのサロンではやれる気がした。
フィーリングってやつ?
お店の雰囲気も、働いている人の人柄も心地よく感じる。

 

それから二週間の猶予をもらい、恵比寿に部屋を借りて引っ越しを済ませた。
そして働いてみたが、楽しくって仕方がない (^◇^)
脱毛の知識を得ることはもちろん為になったし、なによりもエステティシャンとしての嗜みを学ぶことに感動を覚えた。
働いているだけで、みるみる自分が美しい女性になっていくような気がした。

 

それもこれも、ここの店で働いてる人たちがいい人だからかもしれない。
親身になって教えてくれ、そして笑顔が絶えなかった。
通ってくるお客さんはマダムな人たちが多いが、気さくに私に声を掛けてくれて、駆け出しながら「早く一人前になれたらいいね」と応援してもらった。
こうして順風満帆な日々の中、ある日突然、店長が私に声を掛けてきた。

 

「冴島さん、あなたも脱毛しちゃいなさい」

 

そう言われた私は、あと一つの目的を思い出した。
就職もできたけど、プラス脱毛も出来るのだ!

 

「はい、ありがとうございます。あの、料金は給料引きできますか?引っ越しで今、お金がきゅうきゅうで・・・」

 

店長は目を丸くしてこう言った。

 

「なに言ってんの。もちろんタダよ。でも練習台みたいにはなっちゃうけど」

 

私の心の中は歓喜した。
これこれこれこれーー!専業の特権てやつぅ〜

 

店長はそんな私の表情を見て笑った。

 

「やるならいつがいいかしら。ミキちゃんにやってもらおうかな。明後日とかどう?もし都合が悪ければ一週間後になるけど」

 

「はい、店長。私、この仕事にとてもやりがいを感じているんです。頭の中が教えてもらったことでいっぱいで、とても嬉しくて。
その上、脱毛までしてくれるなんて胸が張り裂けそうです。
なので、心を落ち着かせたくて。できれは一週間後がいいんですけど」

 

「OK、一週間後ね。ミキちゃんには伝えとくね」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

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