トップページ目次脱毛女子の恋心のち晴れ 6

第6節

一部始終を聞いたメイコはこんなことを言い出した。

 

「さっちゃんには話さなくてもいいかなと思ってたんだけど話すね」

 

「え?なになに?」

 

今までメイコから何かを含んだ話を聞くことがなかったから少し驚いた。
何を言いだすんだろう。

 

「あのね、ヒロトね。・・・・本当は脇毛フェチなんだよ」

 

「わわわわ、ワキ毛フェチ?」
そんなんあるの?

 

「そうなの。なんかその手のビデオを男子同士で借りて見まくってたんだって」

 

マジで?!

 

「たぶん、さっちゃんのことが好きなんじゃないかな。だからそんなにめげないで、また明日からがんばろ」

 

う、うん・・・・

 

そして翌日、店長にそのことを洗いざらい話して、いっときの間、脱毛するのを待ってもらうことにした。
腹が捩れているのだろうか。
店長は「わかったわ」と言って休憩所にお腹をが抱えながら入っていった。

 

それから一カ月が経った。
私は一切ムダ毛処理をせずに、週二日の休みを利用して、「まほろ駅前多田便利軒」の小説を読みながら恵比寿東公園を周回する日々が続いた。
目的はヒロトに合って、あることを遂行するためだ。

 

そしてようやくヒロトと会うことができたのだ。
ヒロトは一瞬、驚いた顔を見せると、こちらへと向かってきた。
ほんのり顔を赤らめている。

 

「やあ、また会ったね」

 

「うん」

 

「もしかして俺たちって運命かもね」

 

ドキッとした。
「うん」

 

「また半袖だね」

 

「うん、今日はヒロトくんにどうしても見てもらいたいものがあるの」
そう言って私は両腕を上げて、伸びに伸びきった脇毛を見せた。
バンザーイ!

 

「冴島、ちょっと告白していいかな」

 

「はい」 どうぞどうぞ( ;∀;)

 

「俺、お前のこと好きだったのに、なんだよその脇は!!」

 

「え?」

 

「余計ひどくなってんじゃねえか!」

 

「はい」

 

「俺、前の前もさりげなく注意したよな。体育の時。
俺、お前のこと顔も良くて、スタイルもまあまあいいし、性格も天然でかわいいと思ってたけど、脇毛だけが許せなかったんだよ。
だって女性は脇ツルツルなのがいいわけじゃん!
芸能人やモデルはみんな脇綺麗だろ。
男はテレビでそういうとこばかり見てんだよ!」

 

「だって、メイコは・・・」

 

「メイコって冴島とよくつるんでた子?あいつ、高校の時、俺に告白してきたよ。
タイプじゃなかったからフったけどさ。
ま、いいわ。今からバイトだからもう行くわ」

 

そう言ってヒロトは去っていった。

 

メイコ、メイコぉ〜〜
私はその場で泣いた。

 

アパートへ戻るとまだ夕方というのに布団に潜り込んだ。
高校時代の青春が雪崩れのように崩れていく。
メイコ。
私がヒロトと東京で再開したのが許せなかったの?
この現状を、私が楽しんでいるとあなたには映っていて、それに妬いてるの?

 

まだ夜まで時間がある。
早く朝が来て職場に通いたいと思った。
また、店長はこの話に腹を抱えて笑ってくれるだろうか。

 

神のイタズラなのかその夜、メイコから電話がかかってきた。

 

次回、最終回

 

 

 

 

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