トップページ目次脱毛女子の恋心のち晴れ 7

第7節 ついに衝撃の最終回?冴島の運命は!

電話の内容は、どうやらメイコは働き出したばかりのバイト先の先輩を好きになったらしい。
そしてその先輩に「須田亜香里に似てるね」と言われたらしい。
そんなことを遠回りしながら一所懸命私に話してくれた。
私はただ、うんうんと聞いた。

 

「ありがとう。こんな話聞いてくれるのさっちゃんだけだよ」

 

私は黙っていた。

 

「どうしたの?さっちゃん。どっか元気ないね。今夜は遅いからね。またかけるね。聞いてくれてありがとう」

 

「メイコ・・・」

 

「うん?」

 

「その先輩と上手くいくといいね」

 

「うん、ありがとう。じゃまた」

 

夜も深い中夢を見た。
『光脱毛器のハンドピースが私を襲ってくる。そして「ツルツルになりたい女子は誰や〜」とヤマンバみたいな声で迫ってくる。
だから私は言ってやった。
今時の女子はツルツルになりたいに決まってるじゃない!男子だって脱毛する世の中なんだから!』
夢の中でそう叫んだ。

 

翌日、お店に行くと私は店長に宣言した。

 

「店長、今度の脱毛は全身脱毛にしてください。
給料からどんどん引いてもいいので、足から腕からVIOまで全てツルッツルにしてください!」

 

「ええー!ハイジニーナにまでなっちゃうのーー?!」

 

店長の驚いた顔を、私は真剣に受け止めた。
そこで私が本気だということが分かったのか、店長はこう言ってくれた。

 

「いいんだけど、料金の心配もしなくていいんだけど、本当に全身脱毛するつもりなの?
冴島さん若いからまだ知らないことが沢山あると思うけど、たしかに今時は全身脱毛が流行ってはいるんだけど、ぜーんぶツルツルになるってことは、男性と夜交わることがあった時に、相手に衝撃を与えることになるのよ。

 

私は生唾を飲み込んだ。

 

「本来の女性は薄ーく自然に生えてるほうがいいと思うの。だからアンダーヘアは光脱毛で5、6回で様子みましょ?
ね、それからまたどうするか決めればいいじゃない」

 

私は顔が強張っていたんだとその時分かった。
店長の話を聞いてスーっと緊張がほぐれていった。
さすが店長だ。経験値がちがう。

 

「ありがとうございます。考えが変わりました。」すみません
「店長とミキさんにおまかせします」

 

 

それから半年、私は全身程よくツルツルになった。
脇 背中 足 腕 → 完璧なツルツル。
VIOラインは薄毛である。
公園を散歩してても、全身の肌に風を感じて、ちょっぴり寒いけど気持ちがいい。

 

その時だった。
前方からヒロトが歩いてきた。

 

女の人を連れて・・・

 

私は咄嗟に立木に身を潜めた。

 

ヒロトは楽しげに笑っていた。
女性は綺麗な人で、足の輝きを見ると脱毛はもちろんのこと、エステもばっちりキメている人なのだろう。
途中、ヒロトに腕組みしていた。

 

あれからメイコからかかってくる電話やメールには出ていない。
あの子は少し私から離れたほうがいいだろう。
私を含め、もっと強く生きていかなければいけない。

 

木の枝にスズメが止まった。
休憩しているのか、木の実を突こうとしてるのか、はたまたツガイを探しているのか。
私はしばしそれに見とれていると、そっとその場を離れ、ヒロトとは反対の方向へ、そうまだ見ぬ世界へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

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