トップページ目次ダイエットで憂鬱なわたし 7

第7節 最終回!どんな幕引きが?

 

「貴島さん!」

 

「よう、ちょっと遅れたけど会社のみんなは元気?」

 

彼も会社の元同僚で、私の2つ上の先輩だ。
私と同様会社を退職していて、私が退職する半年前に退職していた。
そして、恋心を抱いていた人だ。賀来賢人に顔が似ているから・・・

 

「私も貴島さんが来るとは思わなかったですよ。あ、でもユウキを可愛がってましたもんね。」

 

「ああ、あいつも一人前になったよな。俺が教えているときはドジばっかしてたのにな。」

 

この貴島さんはズケズケ言うタイプだ。
でも言い方があっさりしていて好感が持てる人だった。

 

私は今日もしかしたら彼にアプローチするかもしれない。
私っていつからこんなに大胆になったの?
でも気づいていた。
ダイエット始めた頃から何かに対する挑戦への気持ちがどんどん強くなっていることを。
それにここで運命的に出会うとは思っていなかったし、なにせ・・・今の私は痩せているのだ。

 

「よし、会場に入ろうぜ。」

 

また私の肩がポンっと叩かれた。
・・・男らしい。
貴島さんとは離れ、自分のテーブル席を見つけると、そこにはユキナが座っていた。
彼女も元同僚だ。

 

「ヒカリ、久しぶり。」

 

「お久しぶり。どこに隠れてたの?」

 

「さっき着いたとこなのよ。」

 

久しぶりに見るユキナは、優雅なドレスを着用し大人びた雰囲気を出していた。
実を言うと私はこの人を好きになれなかった。
少し冷めた態度で人を見るようなところがあり、距離感がむずかしい。
しかも私のこと「痩せたね」って言ってくれない(-_-。) それは私の行き過ぎた欲求か (ーー )ゴメンゴメン

 

そして式は始まり、挨拶、食事、お披露目、ケーキ入刀 etc…一通り式は進行し、ブーケトスでクライマックスを迎えることになった。
私はここで意を決する。貴島さんに近づいたのだ。

 

「お、ヒカリさん。どうしたの?」

 

「実は私、貴島さんのことが前から好きでした・・・」

 

「ちょっと待って。ブーケ飛んできた。」

 

空を見上げると、今まさにブーケが宙を舞っていた。
貴島さんはそれめがけて走っていった。
私もその後を追い、見事彼がキャッチする姿を目にした。

 

すると、ユキナが貴島さんの元へ駆け寄った。
彼はそのブーケをユキナに片膝を付いて渡した。
喜ぶユキナ。
それを見ていた周りからは盛大な拍手。
貴島さんはその観衆が見守るなか、私を見つけると話の続きをし始めた。

 

「ごめん。俺、再来週ユキナと結婚するんだ。だから愛の告白は断るっていうことで。
それと俺、結構痩せてる人タイプなんで。ヒカリさんは前よりは痩せたけど、なんだかまだ・・・
ぽっちゃりじゃん。」
周りの観衆は呆気にとられ、シーンと静まり返ってしまった。

 

何?この人 ( ̄皿 ̄;;
怒りで震えた。
最悪、最低、天然、バカ?…なの?
フラれてよかった。
つき合ったとしても、この先この低能男に振り回されると思うとゾッとする!

 

お立ち台のほうを見ると、ユウキとミキが微笑ましくお互いの顔を見合い、幸せそうにしていた。
これで終わりだ。なにもかも終了
ダイエットも一応終わりかな。もちろんもう太るつもりはない。
しばらくは今の体重を維持したまま、軽いダイエットを続けていきたいと思う。

 

帰りの列車の中、ふとコンビニ店員のヨシくんを思い出した。
そしてつき合ってみるのも悪くはないかなと・・・そう思った。
以前、ヨシくんの告白に断りを入れたけど、今度は私からお付き合いをお願いしようと・・・
やっぱり性格がいいのが一番だ。
よし、告白する!

 

青森駅まで到着すると、もう外は暗闇に包まれていた。
駐車場に停めてあった車に乗り込み、ヨシくんの働くコンビニまで向かった。
「いれば、いいんだけど・・・」
青森は寒くなってきた。
吐く息が少しだけ白くなった。

 

コンビニに到着すると、煌々と輝く店内で働くヨシくんを認める。
店の中に入り、買う物をカゴに入れると、レジに立つヨシくんと顔を突き合わせた。

 

「こんな時間に来るなんてめずらしいっスね。」

 

「ちょっと話があるんだけど、いいかな。」

 

「わかりました。」

 

ヨシくんはあと一人のバイトの子にレジを任せると、外まで一緒に出てきてくれた。
そしてゴミ置き場の横にある、外で休憩するためのちょっとしたスペースまで案内してくれた。

 

「どうしたんスか?」

 

「ごめんね、突然。ヨシくん今彼女いる?」

 

「ほんとどうしたんっスすか?・・・いないっスよ。見りゃ分かるでしょ。」

 

「・・・前に告白してくれたじゃない。今度は私からお付き合いどうかな、と思って。」

 

「あ、もう無理っス。俺、デブ専なんです。」

 

「・・・はい?」

 

「告白した時のヒカリさんがベストっス。あ、入荷のトラック来た。じゃ、また今度の来店お待ちしておりまっス。」

 

・・・・・・。

 

輝く夜の空

 

私は車のドアノブに手を掛けると夜空を見上げた。

 

どうなってるのーーーー!????

 

帰りの車の中の私は、真っ直ぐな道路を只々見据えた。
少しぼんやり滲んで見える。
これは只の涙なんかじゃない。
これはまた明日から頑張ろうという厳正なる泉だ。

 

あ〜あ。
痩せたからって好かれるわけじゃない。

 

うーん、今度は美容整形でも考えるべきか。

 

 

 

 
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